2017年3月18日土曜日

ミルフォードサウンドを見下ろす上級者向けゲートルードサドルルート

 ミルフォードサウンドへの道のり途中にそのミルフォードサウンドを見下ろすことができる上級者向けトレッキングルートがあります。ゲートルードサドル;Gertrude Saddleという標高1420mほどの峠まで道標を頼りに登って行く道のりですが半日かけて歩いて行けるルートです。

ゲートルード・サドルに至るまでの道のりは、2月と3月以外はその道のり途中に雪渓がかなり残っていたり、雪崩の危険性の高い谷間を通り抜けることになり、オレンジのポールなどが道標になりますが、その道標も所々小さなケルン、又は道標がないようになるので地図を頼りにルートを探ることができるトレッキング経験者向けです。また途中の山道はかなりの急こう配でもあり、大岩の上を渡り歩くところも出てきます。体力に自信がある人向けでもあります。また、以下の記事を見てゴールデンウィークなどを利用してこのルートを歩いてみようかな、と思われた方は来年の2月ぐらいまで待つことをお勧めしておきます。4月以降はこの谷間も陽が差し込む時間が少なくなり、途中に歩くことになる岩肌は凍り付いていることがあります。雪渓ならまだ歩けるかもしれませんが凍り付いている岩肌の斜面では対応は不可能になるでしょう。


(ゲートルードサドルルートの入り口はミルフォードサウンドへの道のり途中、ホーマートンネルの手前の道路を少し外れたところの駐車場にあります。早速ここには雪崩の注意看板があります。片道4.5kmほど(看板には3.5kmとなってますが、実際は4.5km)、所要時間は往復で4時間から6時間。この駐車場付近が790mほどの標高,サドルが1420mほどの標高=標高差およそ630mほどの道のりです。)


(3月17日にこのルートを歩き始める10時前ぐらいは谷間に朝もや的な雲が垂れ込めていました。けど少し上の方はかなり明るいので時間たてば雲は上空に上がって行くだろうと思われたので歩いていくことにしました。天気予報でも15時ぐらいまでは快晴の天気予報でした。)


(歩き始めはゲートルード渓谷の奥の方へ緩やかに登って行く感じです。その標高差は130mほど。道のりにはオレンジ色の道標があるのですが、谷の奥に行くほど岩場が続くようになって、そこには歩いた人が積み上げたケルンがあるのですが、このケルンが間違ったものが多くて紛らわしいものになります。オレンジマーカーを見つけながら歩いて行ってください。そうすればサドルへと上って行く山肌の斜面に入って行く入口も見つかるでしょう。)


(山肌を上って行く斜面に入ると、そこからサドルまでの道のりは大半が急斜面の登りになります。まず途中には素敵な滝の水が流れ落ちる小川を渡ります。ここから先が本格的に危険地帯へと入って行きます。)


(滝の水の流れを左に見ながら登って行く斜面は急な砂利道になります。下りにはこの砂利がかなり崩れ滑ることになるので注意したほうが良いでしょう。これでも以前よりは多くの人が歩いた為に砂利ではなくて土が露出していて歩きやすくなっています。この斜面も以前には一つもなかったオレンジマーカーポールが設置されているので、それを頼りに登って行きます。その道標を頼りに登りも下りも歩いた方が最終的には最短に、そして楽に歩けるでしょう。)


(この日朝10時ぐらいから歩き始めた時には2組のカップルがほぼ同時に歩き始めて、私を含めてこの3組がこの日の最初のサドルへと向かうものだと思っていたのですが、なんとすでにサドルまで行って降りてくる人がいました。しかも途中すれ違う際に分かったのですが、女性で一人だけで歩いている人でした。私たちより時間的に早く出発したことになると登りの時間帯は朝もやの中を上って行ったように思われました。)


(瓦礫の斜面が終わると次には岩肌の上を横切るようになっていきます。この岩肌の上には雪解け水などが幾筋にも分かれて谷底に流れているのですが、4月以降ぐらいからこの流れが凍り付きます。日中も陽が差し込む時間が少なくなるためその氷が解けることの無い岩肌になります。)


(この岩肌の斜面を横切れば急な岩肌を安全によじ登れるようにワイヤーロープが付けられています。)


(ワイヤーロープを使ってよじ登ると大きな湖;Black Lakeが現れます。ここで初めてゲートルードサドルが湖の奥に見えることになり、そこを目指してもう一度急な斜面となる岩肌を第2のワイヤーロープを使って登って行きます。)


(2本目のワイヤーロープが張られている岩肌を上ればそこからサドルまでは大きな岩が溜まっている谷間を通ることになります。春先から1月ぐらいまではこの辺りには山の上から落ちてきた雪崩の残雪が残っています。私はこの日この残雪が全く見られないこのルートを初めて歩くことになりました。)


(このワイヤーロープが張られている岩肌の斜面にも高現植物が花を咲かせています。この大きな岩が溜まっている谷間はこの日ホワイトスノー・マーガレットのお花畑となっていました。)


(大岩の上をよじ登って行けばやっとゲートルードサドルにたどり着きます。ここからはミルフォードサウンドの入り江がほぼ正面の谷間の奥に見えるのですが、この日は丁度そのミルフォードサウンドの辺りに雲がかかっていて見晴らすことはできませんでした。また谷底から吹き上がってくる風がとても冷たくてのんびりとたたずむこともできませんでしたが、やはりこの景色はここまで登って来ないと見れないものです。私は一般の人が特別な装備も無くて歩いて登って来れるフィヨルドランド国立公園内にあるトレッキングルートではここの景色が最も絶景だと思っています。ミルフォードトラックを歩いて超えていくマッキンノン峠からの景色よりも一段階上の景観だと思います。)

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(ゲートルードサドルルートのGPSマップと高低差表)

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